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損害保険会社との団体交渉について

損害保険会社との団体交渉について

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公正取引委員会の回答

2024.4.1 損害保険会社との団体交渉について

公正取引委員会の回答

◾️損害保険会社との団体交渉について

3月29日に公正取引委員会より下記の通り日車協連に対し報告がありました。

※公正取引委員会の発表は、こちら
https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2024/mar/240329jabra.html /

さて、公正取引委員会の発表内容を読み解くと、私たちがこれからやるべきことが見えてきます。
それは団体交渉が始まる前に、損保と協定する際の「レバーレートを上げる」ことです。

それはどうしてなのか?

そもそも損害保険会社の指数対応単価に対し、組合員が指数対応単価以上の工賃単価を基に修理費を算出して損害保険会社に提示していました。
しかし協定する際に、工賃が認められなかったり、値切られたりしています。
その課題を解消するために、日車協連の調査研究委員会が大金星を上げました。
日車協連が指数対応単価を一定率以上引き上げる団体交渉が、条件付き(注1)で承認されました。

(注1)各単組の組合員に大規模事業者が加盟しており、法律上では団体交渉をする上で独占禁止法の適応除外とならないこと。

具体的には条件をクリアした後に、令和6年3月31日の指数対応単価を基にして、国内企業の物価指数の上昇率を踏まえてエネルギーコスト、原材料価格、労務費等のコスト上昇分を価格転嫁するために必要なものとして日車協連が算出した引上げ率で交渉する。こととなります。
従って、令和6年3月31日における組合員が損保と協定するレバーレートがその対象となります。
なお、その対象案件は、所有者から組合員が請け負う自動車車体整備に限ります。
そこで工賃単価は企業物価指数が一つの目安となります。企業物価指数の上昇率は20年前当時の企業物価指数を100とすると、令和5年度の企業物価指数は129です。およそ企業物価指数は20年前から3割アップしています。
一般的な市場変化から想定すると、仮に20年前の指数対応単価が6,000円とすると3割アップした場合、指数対応単価は7,800円になります。

さて、団体交渉は令和6年3月31日における指数対応単価を対象に日車協連が算出した引上げ率となります。
仮に令和6年3月31日の指数対応単価を6,500円として、日車協連が算出した引上げ率が15%の場合、6,500円×115%=7,475円となります。

一方、損保が提示する引上げ率は、日銀の令和5年度の企業物価指数は4.1%でしたので、令和6年度は、6,500円×104.1%=6,770円が基準となります。
従って、日車協連は7,475円です。一方、損保は6,770円です。
そこでそれぞれの損保ごとに団体交渉を行います。最低でも大手3社と個別に行うことになります。よって損保ごとに結論は違ってきます。

また、いつから団体交渉が開始されるのか?現時点において不確定ですが、大手3社それぞれ個別の交渉開始を予測するならば、7月~12月の間に解禁になると思われます。そして結論が出るまでに数か月を要すると考えられます。
交渉がもつれる場合は裁判になります。その場合は早くて3年後の成果となります。

よってこちらの思い通りの結果が得られるとは予想でき兼ねます。
一つの損保との団体交渉の結果を推測すると、仮に双方の主張の折り合いがつく引き上げ率を10%とすると、7,150円前後と考えられます。
このような状況から判断すると、スタートの位置は1年後の令和7年4月以降の指数対応単価に関する交渉になると思います。そして、毎年度このように団体交渉が行われるものと予想致します。
そこで初めにご案内したとおり、団体交渉が始まる前に損保と協定する際の「レバーレートを上げる」ことが得策です。スタート段階から通常よりも工賃が上がりますので、毎年度行う交渉がスムーズになります。

例えば、対象となる令和6年度のレバーレートが、7,500円の場合、10%の引き上げ率であれば令和7年度のレバーレートは、8,250円となります。
なお、この説明は「ロープレ勉強会」や「南・羽島支部講習会」(損保との交渉において、知っていなければならないこと。)でご案内していますが、再度、組合員の皆様は出来る限り早くレバーレートをアップすることが重要であることをご理解頂ければ幸いです。
このような理由もあり、今年度も引き続き、損保との交渉を成功するために支部講習会においてアジャスターと交渉する練習「ロープレ勉強会」を数回開催する予定です。

公正取引委員会の発表はこちら

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